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■ウルトラダラー
b0009493_2172634.jpg「拉致」衝撃の深層!昭和43年暮れ。東京・荒川に住む若い彫刻職人が、忽然と姿を消した。それから35年以上の月日が流れ、ついに全貌が明らかになる…。ダブリンに超精巧偽百ドル札あらわる!震源は「北」。前NHKワシントン支局長の著者が放つ衝撃のドキュメンタリー・ノベル。

ま、時期が時期だけに、話題の一冊です。拉致問題、偽札、テポドン、台湾と中国、極東アジアミリタリーバランスなどなどをまとめて読める面白い本です。前NHKワシントン支局長であった手嶋氏が書き出すリアリティとは裏腹に文体に加齢臭が何処となく漂うw。

イギリス人が主人公なんだけどその周辺の台詞がいちいち言うことが気障でちょっと耳障りが良くない他は、『あ〜ありえるありえる』とうなずける内容です。日本の外交を考えさせられる一冊。今も中国のどこかで美人局作戦に引っかかってる自衛官がいると思うと、これからの外交もこれでいいのかと、不安になりますよ。

外交問題、特に特定アジアに興味のある方にはおすすめです。ひとつ言うなら、終わり方はいただけませんけどね。ネタばれにはならないので言っておきますが、連載を打ち切られた漫画家のような終わり方はやめていただきたい。編集者ももうひとつ食い下がるべきだったように思います。
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by mo-gu-mo-gu | 2006-09-03 02:35 | ■Book
■子猫キラー坂東眞砂子に対する超シンプルな回答
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今ネットでは(ちょっと遅いか)直木賞作家の坂東眞砂子への猛烈な批判祭りが開催されている。ことの発端は日経新聞のプロムナードというコラム欄に彼女が書いた子猫殺し(ひねれよ)というタイトルのコラムである。この件について環境省が28日から調査を開始する模様だ。

まとめサイト

読んでもらえればわかるのだけれど、批判が出て当然の内容。猫に限らずペットを飼っている人にとってみたら理解不能だ。簡単に彼女の言分をまとめると『猫の気持ちを考えたら繁殖して子供を産むのが自然の摂理なんだから、それを人間の手によって避妊だとかそういう処置してしまうのはいかがなものだろうか。それなら出来た子供を軒下に捨てる方が親猫としては産んだ子供がいなくなっただけで、そちらの方が猫としての人生を全う出来るんじゃないんだろうか』とこんなところなんだろうか。

圧倒的に、理解できない部分が彼女の生に対する倫理観だ。シンプルにいえば殺すぐらいなら最初っからペットとして飼うなよといいたい。彼女もいうように獣を愛玩として飼うこと自体に元々人のわがままなのだから、わがままを言うなら最後まで面倒見てやれよ、ということなのだと僕は思う。都合のいいところだけ、獣扱いして家によってくる時だけは愛玩。何とも都合のいい話である。この話をすると、一部の人はブタ、ウシは食ってるのに猫になると・・・というが、ペットとはやはり別次元の話なので、ごっちゃにしない方がいいように思う。ブタをペットとして飼ってる人は食おうとは思わないはずだ。

この話を聞いてなぜみんなが嫌悪の気持ちを抱いているのかという点に、もっと着目すべきだと僕は思う。以前、小学校の教師がブタを子供のころから飼って、大人になるまで面倒みようというドキュメンタリーがあったが、結局飼いきれなくなって食肉センターに渡すという選択を子供たち自身に教室で決めさせるという番組があった。教師はもっともらしく、食と生についてもっとよく知ってもらう為と話していた。自分たちの生がいかに多くの生の犠牲によって成り立っているかをわかってもらうという主旨で始めたらしい。あの時も僕は嫌悪感を抱いた。

このドキュメントでは、小学生たちがブタを半ばペットとして何年か飼っていたのに、結局最後は人間のエゴで食肉にされるという、人間の都合でしか生の選択を得られなかったからだ。ドキュメンタリーとしてかなり評価は高いようだが、僕は正直こんな先生に教わらなくてよかったとおもっている。結局は教師は自分では判断せず、子供のクラス会にて採択を選ばせた。最後は大きくなって飼いきれず、危ないという理由で食肉センターに送られるブタを子供たちが泣きながら見送るという物だった。

日本は言論の自由がある国なので、どんな意見もあってしかるべきだと思うけど、僕はこの説明のつかない嫌悪感がわくのは、最後まで責任を取れない人間に対する物なのだと思う。ペットを飼う行為は所詮人間のわがままなのだから、すこしでも動物には気持ちよく過ごしてもらいたい物である。

批判の矛先の坂東眞砂子女氏はタヒチ在住だ。このあたりから日本のペット事情とは違うのかもしれないが、日経という大新聞のコラムを飾るなら少しぐらいは日本の国民感情を察してしかるべきだったのだと思う。ま、この問題はまとめサイトをみればわかるように彼女の他のコラムもイタいので、根が深そうだ。

このお祭り騒ぎに日本一マズイラーメン屋の店主彦龍の憲彦さんはこう答えている

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回答:オス飼えば?

ごもっともです。なつかないじゃなくて、オス飼えよ。
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by mo-gu-mo-gu | 2006-08-29 22:51 | ■News
■きみにしか聞こえない—Calling you
b0009493_1720465.jpg スニーカー文庫ということで、
いい大人が通勤の電車内で読んでると
とても恥ずかしい表紙なのですが、
いやはや何ともすばらしい本です。

乙一の心の琴線をなでるようなこの作風。
とても素敵な一冊です。学生さんにもお勧めです。

サラリーマンの方はカバーをかけてもらいましょう(笑)
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by mo-gu-mo-gu | 2006-08-28 17:20 | ■Book
■変身
b0009493_0542669.jpg平凡な青年・成瀬純一をある日突然、不慮の事故が襲った。そして彼の頭に世界初の脳移植手術が行われた。それまで画家を夢見て、優しい恋人を愛していた純一は、手術後徐々に性格が変わっていくのを、自分ではどうしょうもない。自己崩壊の恐怖に駆られた純一は自分に移植された悩の持主(ドナー)の正体を突き止める・・・

まさに日本版『アルジャーノンに花束を』。そのプロットから作品をくらべられることの多いこの作品。あれこれいわずに両方よんでみて下さい。どちらも掛け値なしに泣ける傑作です。

僕は脳移植は受けていないですが、自分が変わっていく瞬間てあると思うんですよね。例えば、すごく影響力のある人といると、その人の思想に近づいていってしまって、自分も同じ様な思考ロジックになってしまっているときとかあるように思うんですね。でも、何か気持ち悪い、自分ではないようなそんな居心地の悪さから完全にそちら側に行ってしまうことはないのですが、成功している人の空気ってそんな気がします。

なかなか難しいですが、自分を貫くって自分だけでは成り立たないってことですかね。

僕は最近ブログを頻繁に更新していますが、これはこれですごく制御弁になっている気がします。忙しければ忙しい程、僕はあまのじゃくなので、違うことがしたくなってしまう。だけれどもそれを始めると、今度はそれに夢中になってしまうので、何も手がつかなくなってしまうし、考えもまとまらなくなってしまう。

そんなとき、ブログにそういった思いつきを記しておくことで、少し落ち着くような気がします。軽い変身とでも申しましょうか、あーすっきりした、元に戻ろうってな感じですね。なので、エントリーが多くなったら要注意かもしれません。テンパってます(笑)
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by mo-gu-mo-gu | 2006-08-09 01:04 | ■Book
■手紙
b0009493_0343954.jpg武島直貴の兄・剛志は、弟を大学に入れてやりたいという一心から、盗みに入った屋敷で、思いもかけず人を殺めてしまう。判決は、懲役15年。それ以来、直貴のもとへ月に1度、獄中から手紙を送る剛志。一方で、進学、恋人、就職と、つかもうとした人生の幸福すべてが「強盗殺人犯の弟」というレッテルによって、その手をすり抜けていく直貴。日を追うごとに、剛志からの手紙は無視され、捨てられ、やがて…。

白夜行、秘密などテレビドラマ、映画化され、一気に名の知れる作家になってしまった東野 圭吾さんの作品。罪繋がりで、先ほどのエントリーの続きで書いてしまうけれど、家族に犯罪者が出てしまったらどう思うだろうか。兄が殺人を犯してしまったがために、人生において何をするにもそれがネックになってしまい、恨めしい生活をおくる弟の話なのだが、とにかく暗いし、救いがあまり無いのだけれど、それがまたリアルに思えてくる。

この本は犯罪者の家族を擁護する話ではない。さらに言えば犯罪者の人権についても同じように思う。残酷だけれども罪を犯すということは自分だけが罪を清算すればすむというものではないということを教えてくれると思う。罪は自分だけでなくまわりにも波及する。ここから不幸の連鎖もはじまるのだ。大げさかもしれないけれど、万引きひとつでもそ、起こりうる話なのだと僕は思っている。身勝手な現代の若者はぜひとも読むべきだと、思う一冊。夏休みの課題図書にでもすればいい。きっと、人生の重さに気がつくことだろう。

今は夏.甲子園が熱い。こんな時期は、『魔球』もおすすめです。
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by mo-gu-mo-gu | 2006-08-09 00:44 | ■Book
■失はれる物語
b0009493_13581825.jpg乙一は間違いなく天才です。読むもの読むもの全て切なくて、『こんなの俺が書きたかったわー』とかなり嫉妬です(笑)本によってもいろいろ彼はタッチを変えていますが、やはり本業としては切ない読み物が一番あってるのかなと思います。この『失はれる物語』はおいしいどこ取りといったお買い得感ある一冊。文庫の良いなーと思った物ばかり入っています。Calling You,失はれる物語,傷,手を握る泥棒の物語,しあわせは小猫のかたち...涙あり、思わずにやりとしたり。天才の寝物語ににすこし耳を傾けてみて下さい。文庫は書き下ろしが追加されているようですよ。
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by mo-gu-mo-gu | 2006-08-08 13:59 | ■Book
■白河夜船
b0009493_1123036.jpgいつから私はひとりでいる時、こんなに眠るようになったのだろう—。植物状態の妻を持つ恋人との恋愛を続ける中で、最愛の親友しおりが死んだ。眠りはどんどん深く長くなり、うめられない淋しさが身にせまる。ぬけられない息苦しさを「夜」に投影し、生きて愛することのせつなさを、その歓びを描いた表題作「白河夜船」の他「夜と夜の旅人」「ある体験」の“眠り三部作”

本屋さんでは毎年恒例のYonda!の売り出しが始まっているけど、そこに吉本ばななの本もありました。たしか『トカゲ』だったかな?僕が好きなのはこの『白河夜船』。死んだ人と出逢える一種のファンタジーではありますが、夏の夜長にゆったりと読書を楽しむのにはもってこいの本では無いでしょうか。吉本ばななのうまさがわかる一冊です。
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by mo-gu-mo-gu | 2006-08-05 11:27 | ■Book
■慟哭
b0009493_0483253.jpg連続する幼女誘事件の捜査が難航し、窮地に立たされる捜査一課長。若手キャリアの課長を巡って警察内部に不協和音が生じ、マスコミは彼の私生活をすっぱ抜く。こうした状況にあって、事態は新しい局面を迎えるが……。人は耐えがたい悲しみに慟哭す。

今は摂理を始めとして、韓国からカルトが上陸してえらいことになっておりますが、1999年の貫井 徳郎氏のデビュー作『慟哭』ではカルトの実態などが興味深く描写されています。もうずいぶん昔の作品で僕も何度か読んだのだけれど、伏線の張り方がすばらしい。

新興宗教を巡る猟奇的な事件を軸に、犯人と警察と2ツのタイムラインを交互に見せつつ物語は進行してゆきます。タイトルは『慟哭』。慟哭とは悲しみ、声を上げて泣くこと。慟哭するのは、したのは誰だったのか。読み終わった後にユージュアルサスペクツのようなカタルシスを得られること間違いなしです。

ホントに読んでみたい方はレビューや、背表紙の言葉などはなるべく見ないで、先入観なしで読み始めて欲しいです。純粋に物語に引き込まれていって、読まずにはいられなくなっていると思います。この手の本は期待しないことが、いい結果に繋がると思うので(笑)

通勤電車とかにオススメします。
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by mo-gu-mo-gu | 2006-08-05 00:54 | ■Book
■プリズンホテル
b0009493_20311398.jpg極道小説で一躍人気作家となった主人公のもとに叔父から連絡が来る。『ホテルを始めたので遊びに来い』と。叔父は本当の極道。極道が始めたホテル・・・それは極道のための極道によるホテルだった。

すばらしいレビューがアマゾンにあったので転載しておきます。

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女に平気で暴力を振るうくせに、 誰よりも純粋で愛に飢えた才能ある小説家。 粋も甘いもかみ分けた、 人情味と色気溢れる当代きっての極道の大親分。 誰もが振り向く美貌を持ちながら、 頭はからっぽ、心は聖母のパープリン女。 5歳とは思えぬ感性と絵の才能を持ちながら、 けな気に尽くす姿が愛しすぎる、その娘。 完璧なサービスと笑顔でお客様をもてなす、 黒子のように控えめな素晴しきホテルマン。 少年のような無邪気さと真っ直ぐな男気を併せ持ち、 無骨な手でパソコンを操る、可愛くて格好良い若頭。 一口食べれば笑いがこみ上げるほど美味い料理を創り上げる、 頑固一徹の天才和食料理人。 —と、その料理人を心から敬愛する若き天才仏蘭西料理人。

めちゃくちゃで可笑しくて暖かい、 魅力的な従業員たち。
そして—、 一物を抱えた個性的な客達が、 今日もこの楽園に迷い込んでくる。
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まさにそのとおり、すべての人に物語があり、人生がある。
とかく主人公のためのお話が多くなりがちなこのご時世。月9にしても今のドラマは何でもヒーローが求められますが、実際の世界もそうだけど、脇役なんてひとりもいなんですよね。本当は。一人一人が主人公であり、それぞれの人生を一生懸命、走ったり転んだり、時には怪我したりしながら前に進んでるんですね。

人生に疲れた時に、ぜひどうぞ。明日から、あったかい気持ちになれますよ。
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by mo-gu-mo-gu | 2006-07-20 20:42 | ■Book
■パズルパレス
b0009493_304038.jpgダンブラウンのデビュー作『パズルパレス』。大分前に読み終わったんですが、久しぶりに読み返してみたら、こういうのって実際あり得るなぁと感心してしまいました。お話はNSAというアメリカの公安みたいな部所のお話。アメリカ人でもこの組織の存在を知っているのは3%だとか。本の中に台詞としてでてきていましたが、かなり意外です。僕はXファイルとか、24とかうさん臭いのも大好きなので、NSAなんて劇中しょっちゅうでてきていたので、アメリカではCIAとかと同じような扱いなのではないかと思っておりましたが、そういう組織なのですね。

ま、海の向こうのことなので実際のところよくわかりませんが、そのNSAに巨大なスーパーコンピュータが極秘に導入されたお話。この機械は世界中の通信を傍受し、その暗号を瞬時にして解き明かす為のもので、もちろんそのことは公には秘密にされており、開発から、担当者にまで徹底的な箝口令がひかれており、存在すら否定されているものでした。クリプトと呼ばれるNSAの暗号解析チームの中で、この導入を巡り、対立が生じます。

電話はもちろん、Eメールに至るまであらゆる通信が、政府によって傍受されているということは、すなわち危険発言はすべて筒抜けということ。テロリストのメール等はすぐに傍受され、実行の水際で食い止められる。こうしたプラスの側面もある一方、これは利用する側にモラルや、正義があって初めて成り立つものになるということで、政府が間違っていた場合はただの言論統制になりかねない。要するに、監視するのもが必要なのだけれど、その監視するものは誰が監視するのかというパラドクスに陥ることになる。誰のための正義なのか、という問題が生じてくる訳だ。

物語はその装置に異議を唱える日本人のNSA技師タンカド・エンセイが究極の暗号技術を作り、そのスーパーコンピューターを無力化すると脅迫するところから始まる。タンカドの望みはスーパーコンピューターの存在を世間に公表し、通信傍受をやめること。

その脅迫から1日後、タンカドはスペインで死体で発見される。究極の暗号技術はすでにインターネットを駆け巡っている。究極の暗号を解く鍵は一体....。

というようなお話でした。

実際NSAはエシュロンというものを持っている。これは米国が主導し、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドのアングロサクソン国家5ヶ国により編成・運営されている通信傍受システムのことであり、その暗号名である。そして由縁は1948年に秘密裏に結ばれた英米協定に基付いているものである。エシュロンの中心的運営はNSA(米国国家安全保障局)で行われており、本部はイギリスのメンウィスヒル基地に存在する。コードネームは「「P−415」」。エシュロンは全世界の通信を無差別に盗聴するシステムであり、個人どころか、国家・企業までもすべて傍受されているといわれている。

きっとこれをもとにダン・ブラウンは構想したのだと思うが、本の内容を遥かに超えることが行われていそうでぞっとする。金正日の息子「正男」が日本へ不法入国した(ディズニーランドで遊んでましたね)との報を発信した元が、この機関であると囁かれているし、他にも企業を対象とした盗聴により諸所にて暗躍をしているそうな。

盗聴によって安全が守られているのは、動かしがたい事実なのかもしれないが、その安全を守るという正義が誰にとっても正義とは限らない。正義とは相対的なものであるように思うし、一方に取って正義であっても、その対象者(悪と見なされるもの)にとっては自分が悪とは思っていないだろう。

絶対的な正義などというものがあれば、戦争等起こらない。誰にとっても正しいこと等無いのだ。では、相対的な正義を作るのは何だろうか。それは情報であり、思想なのかもしれない。ただその情報は通信によってもたらされるものであるから、そこに何らかのフィルターが等されてしまうようであれば、それは恐ろしいことだ。

情報を握るものは世界を動かす神にもなれるのか。
そんなことを考えさせられる一冊でした。

とはいえ、すぐ読めて、あっさりです。壮大なスケールでありながら、ちっちゃい話です。例えるなら、世界を股にかけた、社内恋愛みたいな(笑)
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by mo-gu-mo-gu | 2006-07-18 03:38 | ■Book